スマートフォンや固定電話に、「+1」「+44」など「+」から始まる見知らぬ番号から電話がかかってきて、不安になったことはありませんか?
電話に出ると自動音声で
「電話が停止されます」「未納料金があります」と告げられたり、
警察や公的機関を名乗る相手から個人情報を聞かれたりするケースがあります。
国際電話番号からの着信がすべて詐欺とは限りません。
しかし、海外との通話に心当たりがないのに、支払い・個人情報・番号ボタンの操作を求められた場合は要注意です。
大切なのは、出ない・折り返さない・個人情報を伝えないこと。
この記事の結論
- 「+」から始まる知らない番号には、原則として出ない・折り返さない
- 自動音声に従って番号を押したり、氏名・生年月日・口座情報などを伝えたりしない
- 固定電話は国際電話の利用休止、携帯電話は着信拒否や迷惑電話対策を検討する
- お金を送った、情報を伝えた場合は、すぐに金融機関・警察・消費生活センターへ相談する
「+」から始まる電話番号とは?
電話番号の先頭にある「+」の後ろの数字は、国や地域を示す国番号です。
たとえば「+1」は米国・カナダなどの北米地域、「+44」は英国の国番号として使われます。日本の国番号は「+81」です。
ただし、番号の表示だけで発信者の身元や電話の目的を確実に判断できるわけではありません。
海外の知人や仕事先からの連絡、海外サービスの認証電話など、正当な理由で国際電話が届く場合もあります。
一方で、特殊詐欺の犯人が国際電話番号を悪用するケースも報告されています。
警察庁は、特殊詐欺に利用された電話番号のうち国際電話番号が大きな割合を占めているとして、国際電話の着信を受けないための対策を呼びかけています。
知らない海外番号から突然電話が来た場合は、相手の説明をうのみにせず、慎重に対応しましょう。
国際電話を悪用した詐欺でよくある手口
1.「電話が使えなくなる」と告げる自動音声
自動音声で「この電話はまもなく停止します」「通信サービスに異常があります」などと告げ、指定された番号を押すよう誘導する手口です。
番号を押すと担当者を名乗る人物につながり、氏名や生年月日、住所などを聞き出そうとすることがあります。
本当に電話が停止されるのではないかと焦っても、電話口の案内に従う必要はありません。
いったん切り、契約している通信会社の公式アプリや、公式サイトに掲載された窓口から確認してください。
着信相手が伝えた番号や、SMSで送られてきたリンクから確認するのは避けましょう。
2.警察・官公庁・大手企業を名乗る
「あなた名義の電話が犯罪に使われた」「口座が不正利用されている」「捜査対象になっている」などと告げ、不安をあおるケースがあります。警察官や公的機関の職員を名乗り、個人情報を聞いたり、金銭の振り込みや送金を求めたりすることもあります。
相手が所属や氏名を名乗っても、電話だけで本物と判断しないでください。警察官を名乗る電話でLINEなどのSNSへ誘導された場合も、相手の指示に従わず通話を終了しましょう。
詳しくは、警察を名乗る電話でLINEに誘導されたときの対処法も参考にしてください。
3.未納料金・罰金・裁判などを理由に支払いを要求する
「有料サービスの未納料金がある」「今日中に支払わないと法的措置を取る」などと説明し、電子マネーの番号を伝えさせたり、指定口座へ送金させたりする手口です。
支払いを急がせる、誰にも相談しないよう口止めする、コンビニで電子マネーを買わせる場合は、詐欺を強く疑ってください。
請求に心当たりがあっても、その電話だけで支払いを決めてはいけません。
会社や機関の公式サイトを自分で検索し、そこに掲載された窓口へ連絡して確認しましょう。
4.無言電話やワン切りで折り返しを誘う
電話に出ても無言のまま切れる、短い着信だけが残るなど、発信者の目的が分からない場合もあります。
すべてが詐欺とは断定できませんが、知らない国際電話番号に折り返す必要はありません。
料金や接続先のリスクを避けるためにも、着信履歴からそのまま発信しないでください。
詐欺電話を疑うべき7つのサイン
次のようなケースに当てはまる場合は、
「詐欺電話かも知れない」と警戒した方が良いサインです。
- 電話番号が「+」から始まっていて、海外からの連絡に心当たりがない
- 自動音声で「電話停止」「未納料金」「法的措置」などと告げられる
- 「1を押してください」など、番号ボタンの操作を指示される
- 氏名・生年月日・住所・口座情報・認証コードなどを聞かれる
- 警察や官公庁を名乗り、逮捕・捜査・口座凍結をほのめかす
- 電子マネー購入、暗号資産送金、ATM操作などを求められる
- 「今すぐ」「誰にも言うな」と急がせ、公式窓口での確認を妨げる
ひとつでも当てはまる場合は、会話を続けずに電話を切るのが安全です。
相手を問い詰めたり、詐欺かどうかを試したりする必要はありません。
着信番号を検索する場合も、検索結果に表示された広告や不審な折り返し先には注意してください。
知らない国際電話が来たときの正しい対処法
電話に出ていない場合
着信に気づいても、海外との連絡に心当たりがなければ出る必要はありません。
留守番電話にメッセージが残っていても、折り返しを急がないでください。
必要な連絡であれば、メールや公式アプリなど別の方法で届くこともあります。
- 着信番号と日時を確認する
- 着信履歴から折り返さない
- 同じ番号から繰り返し来る場合は、端末の着信拒否を設定する
- 不安があれば、公式の相談窓口で確認する
電話に出てしまった場合
電話に出てしまっただけで、必ず被害が発生するわけではありません。
慌てずに通話を終了し、相手の指示に従わないことが大切です。
- 自動音声の番号操作を求められたら、操作せずに切る
- 個人情報や認証コード、銀行の情報を伝えない
- 相手が教えた電話番号へかけ直さない
- アプリのインストールや画面共有、遠隔操作を求められても応じない
- 不安が残る場合は、着信日時・番号・会話内容をメモする
電話に出ただけで、すぐに端末の設定や銀行口座が乗っ取られるとは限りません。
必要以上に慌てず、何を伝えたか、何を操作したかを整理して次の対応を判断しましょう。
国際電話を着信拒否する方法
固定電話・ひかり電話の場合
海外との通話を普段利用しない場合は、国際電話の利用休止を申し込む方法があります。警察庁が案内している国際電話不取扱受付センターでは、固定電話などの国際電話利用休止について案内しています。
国際電話不取扱受付センター
電話:0120-210-364
オペレーター案内:平日9時~17時
自動音声案内:土日祝を含め24時間
申込み条件や対象となる回線、最新の受付時間は、公式案内で確認してください。海外との通話が必要な家庭や事業所では、利用への影響を確認してから手続きしましょう。
手続きが難しい場合は、最寄りの警察署に相談できる場合もあります。
家族に高齢者がいる場合は、電話の設定だけでなく「知らない番号には出ない」「お金の話が出たら一度切る」というルールを一緒に確認しておくと安心です。
スマートフォンの場合
スマートフォンは、機種・OS・携帯電話会社によって利用できる設定が異なります。以下を確認してください。
- 電話アプリの着信履歴から、該当番号をブロックする
- 迷惑電話の識別・着信拒否機能があれば有効にする
- 携帯電話会社が提供する迷惑電話対策サービスを確認する
- 警察庁が案内する対策アプリの最新情報を公式ページで確認する
- 非通知や知らない番号からの着信を制限する設定を検討する
ただし、すべての「+」番号を一律に拒否すると、海外の家族や取引先、旅行先で必要な連絡を受け取れなくなる可能性があります。設定する前に、海外から電話が来る予定がないか確認しましょう。また、アプリは公式ストアや提供元の公式ページから入手し、広告経由の不審なアプリは避けてください。
警察庁「みんなでとめよう!!国際電話詐欺」では、固定電話の利用休止や携帯電話の対策について案内されています。手続きの詳細は、こちらの公式情報を確認してください。
個人情報を伝えた・お金を払った場合は?
「名前を言ってしまった」「生年月日を答えた」「番号を押してしまった」と気づいても、自分を責めず、これ以上情報を渡さないことを優先してください。被害の有無や必要な手続きは、伝えた内容や操作によって異なります。
氏名・住所・生年月日などを伝えた
相手から再び電話がかかってきたり、別の詐欺に情報を利用されたりする可能性を考え、知らない連絡への警戒を強めましょう。相手が名乗った組織の公式窓口へ、自分で調べた連絡先から問い合わせてください。銀行やカードの情報、パスワード、認証コードも伝えた場合は、下記の対応を急いでください。
銀行口座・カード情報・認証コードを伝えた
- 銀行やカード会社の公式窓口へすぐに連絡し、事情を説明する
- 必要に応じてカード停止、口座の確認、パスワード変更などを行う
- 同じパスワードを他のサービスでも使っている場合は、使い回しをやめて変更する
- 不審なログイン通知や取引履歴がないか確認する
- 電話番号、着信日時、相手の説明、送金記録などの証拠を保存する
相手に認証コードを伝えた場合、短時間でアカウントを不正利用されるおそれがあります。相手とのやり取りを続けるより、サービス提供元の正規窓口に連絡することを優先してください。
送金した・電子マネーを購入した
送金や決済をしてしまったら、すぐに振込先の金融機関や決済サービスの公式窓口へ連絡し、詐欺の疑いがあることを伝えてください。電子マネーの番号を相手に伝えた場合は、発行会社にも連絡し、利用停止などが可能か相談しましょう。時間が経つほど対応が難しくなる場合があるため、早めの連絡が重要です。
「被害金を取り戻せる」「返金手続きのために保証金が必要」などと連絡してくる二次被害にも注意してください。返金のために追加送金や暗号資産の購入を求められても応じないでください。
相談先はどこ?
国際電話を使った怪しい電話に関する相談先には、
以下のようなところがあります。
- 警察相談専用電話「#9110」
詐欺の疑いがある電話や、対応に迷う場合の相談 - 消費者ホットライン「188」
消費生活センターなどにつながり、契約・請求・金銭トラブルについて相談 - 金融機関・カード会社:
口座情報やカード情報を伝えた、送金・決済をした場合の緊急連絡 - 携帯電話会社・通信会社
電話番号や通信契約に関する確認、迷惑電話対策の相談
すでにお金をだまし取られた、相手に脅されている、口座から不審な出金があるなど、緊急性が高い場合は警察への相談を優先してください。
相談時には、着信履歴、メッセージ、振込明細、相手の名乗った組織や電話番号などを整理しておくと説明しやすくなります。
よくある質問
「+」から始まる番号はすべて詐欺ですか?
いいえ。海外の知人や仕事先などから正当な電話が来ることもあります。ただし、心当たりがない国際電話は慎重に扱い、支払いや個人情報の提供を求められたら応じないでください。
電話に出ただけで料金が発生しますか?
通常、電話を受けただけで国際通話の発信料金が発生するとは限りません。料金の扱いは契約やサービスによって異なるため、不審な請求があれば携帯電話会社などの公式窓口で確認してください。心配だからといって、相手に折り返す必要はありません。
自動音声で番号を押してしまいました。どうすればいいですか?
まず通話を終了し、これ以上の操作や情報提供をしないでください。個人情報や認証コードを伝えた場合、アプリを入れた場合、金銭を支払った場合は、内容に応じてサービス提供元・金融機関・警察などへ早めに相談してください。番号を押しただけで何が起きたか分からない場合も、相談窓口で状況を説明できます。
国際電話を止めると、海外からの必要な電話も受けられませんか?
利用休止や着信拒否の設定によっては、必要な国際電話も利用できなくなる場合があります。海外との通話を利用する可能性がある方は、申込み条件や端末の設定を確認し、自分の使い方に合う対策を選びましょう。
まとめ:知らない国際電話は出ない・折り返さない
「+1」「+44」などから始まる国際電話は、海外からの正当な連絡の場合もありますが、特殊詐欺に悪用されることもあります。電話が停止される、警察の捜査対象になっている、未納料金があるなどと告げられても、その場で信じてはいけません。
- 知らない国際電話には出ない・折り返さない
- 自動音声の指示や番号操作に従わない
- 個人情報・認証コード・お金を渡さない
- 固定電話は利用休止、携帯電話は着信拒否などを検討する
- 不安なときは「#9110」や「188」、金融機関の公式窓口に相談する
詐欺電話は、相手を焦らせて冷静な判断を奪おうとします。すぐに返事や支払いをする必要はありません。
一度電話を切り、公式情報を確認し、必要なら第三者に相談することが被害を防ぐ第一歩です。

