SNSやメッセージアプリで、友人や家族のアカウントから突然「急いでお金を送って」「電子マネーを買って番号を送って」「投票を手伝ってほしい」などと頼まれたら、すぐに応じず注意してください。本人のアカウントが乗っ取られていたり、写真や名前をまねた偽アカウントだったりする可能性があります。
相手が知り合いでも、SNS上のメッセージだけで本人だと判断しないことが重要です。送金や電子マネーの購入を急かされたら、いったん会話を止め、別の電話番号など普段から知っている連絡手段で本人に確認しましょう。
- 友人・家族からの急な送金依頼や電子マネー購入の依頼には、すぐ応じない
- メッセージの返信ではなく、登録済みの電話番号など別の手段で本人に確認する
- 認証コード、パスワード、ログイン用リンクを他人に送らない
- 送金やコード送信をしてしまったら、決済事業者・金融機関へすぐ連絡する
- アカウントが乗っ取られた疑いがあれば、公式手順でパスワード変更やログイン停止を行う
知り合いの名前やプロフィール写真が表示されていても、本人が操作しているとは限りません。アカウントが不正利用されると、本人の友人リストを使って周囲へ同じ依頼が送られることもあります。お金の話が出たら、普段の関係性にかかわらず確認を優先してください。
この記事では、友人や家族を装うSNS詐欺の典型的な手口、偽アカウントや乗っ取りを疑うポイント、送金前に確認する方法、すでにお金や電子マネーを渡してしまった場合の対応を解説します。
友人・家族を装うSNS詐欺とは?
このタイプの詐欺では、SNSやメッセージアプリで知人の名前や写真を使い、本人になりすまして金銭や情報を要求します。大きく分けると、実在する人のアカウントを乗っ取って連絡するケースと、名前・写真・プロフィールをまねた別のアカウントを作るケースがあります。
相手は「急ぎだから」「今は電話できない」「あとで返す」などと説明し、考える時間を与えないようにすることがあります。電子マネーを購入させてコードを送らせる、指定口座へ振り込ませる、決済アプリで送金させる、ログイン情報や認証コードを聞き出すなど、要求の形はさまざまです。
知人のアカウントから届いたメッセージであっても、本人が送ったとは限りません。乗っ取られたアカウントから友人全員へ連絡されることもあるため、相手をよく知っていること自体が安全の保証にはなりません。
よくある手口と不審なメッセージの例
1.「急いで送金して」とお金を頼んでくる
「財布をなくした」「トラブルに巻き込まれた」「今すぐ支払いが必要」などと説明し、送金を求める手口です。友人や親族を名乗り、普段の会話や共通の知人の名前を出して信用させることもあります。
本当に困っている可能性を考えると、すぐに助けたくなるかもしれません。しかし、緊急性を強調することは詐欺でも使われる方法です。送金先の口座名義が本人と一致するかだけでなく、別の連絡手段で本人が依頼したことを確認しましょう。
2.電子マネーやギフトカードを買わせ、コードを送らせる
コンビニなどで電子マネーやギフトカードを購入させ、裏面の番号やコードの写真を送るよう求める手口です。「カードの写真を送ればいい」「番号だけ教えてほしい」と言われても、コードを渡すと残高を使われ、取り戻すことが難しくなる場合があります。
特に、知人を名乗る相手が電子マネーの購入を細かく指示したり、店員に聞かれたら別の理由を説明するよう言ったりする場合は、詐欺を強く疑ってください。購入前に手を止め、本人へ確認しましょう。
3.「投票・認証を手伝って」と認証コードを聞き出す
「コンテストの投票を手伝って」「アカウントの確認にコードが必要」などと頼み、SMSやメールで届いた認証コードを聞き出そうとするケースにも注意が必要です。認証コードは、アカウントへのログインやパスワード変更などを許可するために使われることがあります。
認証コードは、友人や家族であっても共有しないでください。正規のサービスが発行したコードを他人に渡すと、自分のアカウントを乗っ取られる危険があります。「手伝うだけだから大丈夫」と思わず、コードの共有は断りましょう。
4.偽アカウントから友達申請やDMが届く
実在する人のプロフィール写真、名前、自己紹介文などをコピーし、似たアカウントから友達申請やダイレクトメッセージを送ることがあります。アカウント名に記号や数字が少し加わっているだけで、見た目では区別しにくい場合もあります。
新しいアカウントから急に金銭の相談をされた場合や、すでにつながっている相手から不自然な再申請が届いた場合は、すぐに承認せず、本人に確認してください。プロフィールの写真や投稿が本物らしく見えても、それだけで信用しないことが大切です。
5.「誰にも言わないで」「今すぐ対応して」と急がせる
詐欺では、家族や共通の知人に相談されると偽装が発覚しやすいため、「内緒にしてほしい」「電話はできない」「今すぐやらないと間に合わない」と急かすことがあります。こうした言葉があれば、いったん手続きを止めてください。
緊急の事情が本当であれば、本人確認をすることを理由に関係が壊れるとは限りません。むしろ、お金やアカウントに関わる依頼ほど、落ち着いて確認する必要があります。
詐欺かどうか見分けるための確認ポイント
文章やプロフィールだけで、偽物かどうかを確実に見分けるのは困難です。次のような違和感があったら、送金や情報の送信を中断して、別の方法で本人確認を行いましょう。
- 普段の口調と違う、不自然な日本語や短い命令文が多い
- 急にお金、電子マネー、ギフトカード、認証コードを要求してくる
- 「今すぐ」「秘密にして」「電話は無理」など、確認を妨げる説明がある
- 振込先や送金先が、本人の名前やこれまで聞いていた情報と合わない
- 普段使っていない別アカウントから、突然連絡してくる
- 確認の電話を避け、メッセージだけで手続きを完結させようとする
ただし、これらの特徴がないから安全というわけではありません。詐欺のメッセージは、過去の会話や公開プロフィールを利用して自然に見せることもあります。最も重要なのは、メッセージの内容だけで判断せず、独立した連絡手段で本人に確認することです。
送金する前に必ず行いたい本人確認
- いったん返信と手続きを止める。送金、電子マネーの購入、コードの送信、リンクへのアクセスは保留にします。
- 別の連絡手段で本人へ連絡する。以前から登録している電話番号へ電話する、直接会って確認する、家族など共通の信頼できる人に確認する方法があります。
- メッセージ内のリンクや電話番号を使わない。相手が送ってきた連絡先だけに頼らず、既知の連絡先を使って確認します。
- お金の用途・金額・送金先を具体的に確認する。本人と確認できても、送金先や理由が不自然なら、追加の確認を行ってください。
- 確認が取れない場合は送らない。急かされても、本人だと確認できるまでお金やコードを渡さないことが安全です。
覚えておきたいこと:「本人のSNSアカウントから来たメッセージだから大丈夫」とは限りません。アカウントが乗っ取られている可能性もあるため、必ずSNS以外の連絡手段で確認しましょう。
すでに送金・電子マネーのコード送信をしてしまったら
送金した後に詐欺だと気づいた場合は、相手とのやり取りを続けて返金を求めるよりも、まず決済事業者や金融機関などへ連絡してください。時間が経つほど、送金先から資金が移動したり、電子マネーが使用されたりする可能性があります。必ず返金されるとは限りませんが、できるだけ早く相談することが重要です。
銀行振込や決済アプリで送金した場合
- 振込先の金融機関や利用した決済サービスの公式窓口へ、詐欺被害の疑いがあるとすぐに連絡する
- 振込日時、金額、相手の口座情報、取引番号、決済履歴を保存する
- 相手とのメッセージ、アカウント名、プロフィール、送金を求められた内容をスクリーンショットなどで記録する
- 警察へ相談し、被害の経緯や保存した資料を伝える
- 返金手続きや調査のために必要な情報を、金融機関や警察の案内に従って提出する
送金後に相手から「返金のために手数料が必要」「口座を確認するために追加送金して」と連絡が来ても、応じないでください。返金を装ってさらにお金を要求する二次被害の可能性があります。
電子マネーやギフトカードのコードを送った場合
カードや購入レシートを手元に残し、発行会社・販売元の公式窓口へできるだけ早く連絡してください。購入した店舗やカードの種類によって対応が異なりますが、コードが使用済みかどうかなどを確認できる場合があります。レシート、カード番号、購入日時、相手に送ったメッセージを保存しておきましょう。
コードを送信した後、相手から「別のカードも必要」「残りの金額も送って」と追加で要求されても応じないでください。コードがすでに使われている場合でも、購入記録や会話履歴は削除せず、事業者や警察に相談する際の資料として保管してください。
アカウントを乗っ取られた疑いがある場合
自分のアカウントから身に覚えのないメッセージが送られている、突然ログインできなくなった、知らない端末からログインした通知が届いた場合は、アカウントが不正利用されている可能性があります。使える状態であれば、公式アプリや公式サイトから速やかに対処してください。
- 公式の復旧手順からパスワードを変更する。メッセージ内のリンクではなく、自分で開いた公式アプリや公式サイトを使います。
- 同じパスワードを使っている他サービスも変更する。メール、通販、金融サービスなどで使い回していた場合は、特に優先して対応します。
- ログイン中の端末やセッションを確認する。見覚えのない端末があれば、公式機能からログアウトさせ、二段階認証などを設定します。
- 登録メールアドレスや電話番号が変更されていないか確認する。自分で戻せない場合は、サービスの公式サポートへ連絡します。
- 友人・家族へ別の方法で知らせる。自分のアカウントから不審な送金依頼が届いても応じないよう、電話など別の手段で注意を伝えます。
ログイン情報だけでなく、メールアカウントも不正利用されている可能性がある場合は、メールのパスワードや転送設定、登録情報も確認してください。メールを乗っ取られると、ほかのサービスのパスワード再設定に悪用されるおそれがあります。
偽アカウントを見つけたときの対応
知人の偽アカウントや不審なメッセージを見つけた場合は、相手を問い詰めるよりも、まず証拠を残し、サービス運営会社の通報機能を利用しましょう。相手に個人情報を追加で伝えたり、送られたリンクを開いたりしないでください。
- アカウント名、プロフィール、メッセージ、送金依頼の内容を安全な範囲で保存する
- SNSやメッセージアプリの公式通報機能から、なりすまし・不正利用を報告する
- 本人と共通の知人へ、別の連絡手段で注意を伝える
- 不審な相手をブロックし、個人情報や認証コードを送らない
- 金銭被害やアカウント乗っ取りがある場合は、決済事業者・サービス運営会社・警察へ相談する
証拠を保存するときは、投稿やメッセージを無理に拡散しないようにしましょう。被害を防ぐ目的でも、個人情報を含む画面を公開すると、本人や第三者のプライバシーを侵害するおそれがあります。必要な相手に限定して共有してください。
被害を防ぐための日頃の対策
- サービスごとに異なる強いパスワードを設定し、使い回しを避ける
- 利用できるサービスでは二段階認証やパスキーなどを設定する
- ログイン通知や不審なログイン履歴を定期的に確認する
- 公開プロフィールに電話番号、住所、勤務先、行動予定などを載せすぎない
- 知人からお金を頼まれた場合の確認方法を、家族や友人とあらかじめ決めておく
- 電子マネーやギフトカードのコード、認証コードは誰にも送らない
「本人確認のためにコードを送って」「ログインを手伝って」と頼まれても、認証コードは渡さないというルールを徹底しましょう。また、SNSで知り合った人や知人を名乗る相手から投資・副業・送金などの話を持ちかけられた場合も、内容を分けて慎重に確認してください。
相談先と連絡するときに用意する情報
金銭被害が発生した場合は、銀行や決済サービス、電子マネーの発行会社など、実際に利用した事業者へすぐに連絡します。詐欺の疑いがあるときは警察にも相談してください。契約や返金について判断に迷う場合は、消費者ホットライン「188」から消費生活相談窓口を案内してもらえます。
- 金融機関・決済サービス:振込や送金をした場合は、取引日時・金額・取引番号などを伝え、対応方法を確認します。
- 電子マネー・ギフトカードの発行会社:コードを送ってしまった場合は、カードの種類、購入日時、レシート、コードの状態などを用意して連絡します。
- 利用したSNS・メッセージアプリ:偽アカウントや乗っ取りを通報し、アカウントの復旧方法を確認します。
- 警察:金銭被害、脅迫、アカウントの不正利用などを相談します。緊急の危険がある場合は110番、緊急でない相談は最寄りの警察署などへ連絡します。
- 消費者ホットライン「188」:消費者トラブルとして、どこに相談すべきか迷う場合に利用できます。
相談前に、メッセージのスクリーンショット、相手のアカウント情報、送金記録、購入レシート、事業者へ連絡した日時などをまとめておくと説明しやすくなります。ただし、証拠を集めるために相手とのやり取りを続けたり、危険なリンクを再度開いたりする必要はありません。
よくある質問
Q.本当に友人のアカウントから届いたメッセージなら信用してもいいですか?
A.アカウントが乗っ取られている可能性があるため、メッセージだけでは判断できません。送金や電子マネー購入の依頼があれば、以前から知っている電話番号など、SNSとは別の方法で本人に確認してください。
Q.電子マネーのコードを送ってしまいました。取り戻せますか?
A.必ず取り戻せるとは限りませんが、すぐに発行会社の公式窓口へ連絡してください。購入レシートやカード、相手とのメッセージを保存し、警察にも相談しましょう。追加のカード購入や手数料の支払いはしないでください。
Q.送金をした後、相手から返金すると言われました。応じていいですか?
A.返金を口実に追加の送金や手数料を要求される可能性があります。相手の説明だけで手続きを進めず、利用した金融機関や決済サービスへ直接連絡してください。
Q.認証コードを教えただけでも危険ですか?
A.コードの用途によっては、ログインや設定変更に悪用されるおそれがあります。コードを受け取ったサービスの公式窓口やアプリからアカウントの状態を確認し、パスワード変更、他端末のログアウト、二段階認証などを行ってください。
Q.詐欺かどうかわからない段階でも相談できますか?
A.相談できます。お金を送る前でも、相手の依頼が不自然だと感じたら手続きを止め、家族や本人、利用サービスの公式窓口などに確認してください。消費者トラブルについては188、金銭被害やアカウントの不正利用は警察や利用事業者への相談も検討しましょう。
まとめ:知人からの送金依頼でも、別の方法で本人確認を
友人や家族を装うSNS詐欺では、アカウントの乗っ取りや偽プロフィールを使い、送金、電子マネーのコード、認証情報などを要求することがあります。普段から知っている相手の名前が表示されていても、本人が操作しているとは限りません。
- お金や電子マネーを求められたら、すぐに応じない
- SNS以外の連絡手段で、本人が依頼したか確認する
- 認証コードやパスワードは誰にも教えない
- 被害に気づいたら、決済事業者・金融機関・警察へすぐ相談する
- 証拠を保存し、返金を装う追加請求にも注意する
少しでも不自然だと感じたら、急いで対応する必要はありません。本人確認が取れるまで送金やコードの送信を止めることが、被害を防ぐための大切な一歩です。

